さよならトロイメライ

◆問題の作品




「実らない花」



(^É^)




191 :名無しさん@涙目です。(新潟・東北):2011/09/17(土) 17:17:27.94 ID:bMpd0QM+O


作ったのが女ならまだしも、男ならマジでやばい




195 :名無しさん@涙目です。(dion軍):2011/09/17(土) 17:18:04.08 ID:Z6iY7H8y0
»191

女のほうがやばいと思うんだが・・・




231 :名無しさん@涙目です。(新潟・東北):2011/09/17(土) 17:22:49.22 ID:bMpd0QM+O
»195

中高生くらいならふざけて同性とキスしたり

独占欲や憧れ混じりの疑似恋愛とか珍しくないじゃん


女であれ男であれ

まだ精神的に不安定な年頃なんだし


自身や周囲のそういったものを、

甘酸っぱい青春の思い出として形にしたならいいけど


なななんキリコのブルーとか

男が妄想で作り上げたとなると


途端に性的な臭いが強くなりすぎてキモくなる









248 :名無しさん@涙目です。(庭):2011/09/17(土) 17:25:27.89 ID:4ZDBLIXf0
»231

…………………?




265 :名無しさん@涙目です。(青森県):2011/09/17(土) 17:27:22.38 ID:EXC/98d70
»231

おっさん出張先でも絶好調だな

 どの仕事も続かず、50代になっても引きこもり状態だった知人男性が、最近働き始めた。宅配業務だ。数週間後、その男性が嘆くのを聞いた。

 「上司は、人の働きたがらない早朝や深夜便ばかり俺に押し付ける。得手勝手な連中ばかりだ」

 そりゃそうだろう。50代無職の未経験者を雇う立場を考えれば、とりあえずは人手の空き時間をそれで埋め、使い勝手のいい20代に最も長時間の希望時間帯を提供しようとするだろう。

 「人を何だと思っているのか」と憤る男性に、「仕方がない。頑張ろう」と励ましつつ、この「俺様」意識がどの仕事も長続きさせない核になっていることに、本人はいつ気づくのだろうと思った。

 自分の思う自分の社会的位置と、社会で値踏みされる位置は違う。自任と他者評価は違うことに疎いタイプが少なからずいる。

 テレビ業界ではアシスタントディレクターという位置は、一応、低いことになっている。
 諸々の雑用もこなす立場だ。その20代女性に私は用事を頼んだ。

 「今日、私が選んだ写真をデータでください」
 「わかりました」

 そして、私のメールに写真が届き、用事は終了…となる、はず、だった。
 ところがその女性は違った。

 インターネットに私の写真を50枚上げ、私がそれをダウンロードする手法をとった。

 私が選んだ写真は5枚だ。
 なぜボツ分を含む大量のデータをダウンロードさせようとしたのかはわからない。

 ただ、その女性はデータを1個のファイルに圧縮して送らず、50枚の一枚一枚をそれぞれ50回ネットに上げ、私にダウンロードする案内をした。

 その行為をするほうも大変だったろうが、ダウンロードするのも並大抵ではない。なんせ、そのほとんどが不必要で、その是非はダウンロードしないことには判断がつかなかった。

 「私が選んだものだけを、メールで添付してください」と再度、連絡した。

 すると、私が選んだものではなく、番組で使用したものが添付で数枚届いた。

 そこで私は、この用事は彼女には無理であるという判断を下した。

 「私が選んだものが添付されていません。次回、SDカードごとください」と連絡した。すると、ここから彼女の攻勢が始まる。

 「本番で使用した、〇〇〇〇番と、△△△△番を送りました」と返事が来た。
 つまり、「自分は間違っていない」と、画像の数字を羅列することで反論したのだ。

 「いーえ。あなたは間違っている」と、ここで相手にしたら、私は泥沼に入ることを経験で知っていた。そもそもその女性は私の部下でもない。

 その女性の上司に連絡を取った。

 「まず、インターネットに上がっている私の写真を消去してください。それと、SDカードをください」
 「はい」

 それで済んだ。

 写真をネットに勝手にあげたこと、写真を本人に送るという簡単な用事ができなかったこと等、その後上司から注意されていることは容易に想像できた。

 だが、それを素直に聞くだろうか、という私の予感は的中した。

 その女性からメールが来た。
「次回、SDカードをお渡しします」

 そこには、手数をかけた詫びも、ネットに写真をあげた詫びもない。文面にその女性の憤りが見てとれた。

 そしてその日。

 何人もいる番組責任者が私の楽屋に詫びを言いに来た。
「今日、SDカードをお渡ししますので」

 その後、女性が番組用カメラを持参し、言った。
「写真を選んでください。CDに焼き付けてお渡しします」

「SDカードをくれるのでは?」
「個人のものですので」
「あなた個人のもの?」
「いいえ。スタッフの」

「そのスタッフが、今日、SDカードを渡すと言ったんだけど?」
「他の仕事の写真も入ってますので」

「その写真はすぐに入り用のもの?」
「いいえ」
「見られて困るもの?」
「いいえ」
「では貸してくれる?」
「許可を取らないと」

 … 会話をしているようだが、私は女性の意地と格闘していた。

 「渡したらええやないか!」と、会話を聞いていたディレクターが怒鳴った。

 しかし女性は引かない。
「では、許可を取ってから」と渡さず出て行った。

 彼女以外の全員が「渡す」と言ったSDカード。彼女はいったい誰の許可をとりにいったのだろう。

 そばにいた別のスタッフが言った。
「はい、というのが癪に障るから抵抗しただけ。すぐに許可が取れたといって持ってきます」

 数分後。

 「許可が下りました」と彼女は持ってきた。
 詫びは当然、なかった。

 しばらくして顛末をどこからか聞きつけた上司が、ひれ伏さんばかりに詫びに来た。
 「今日に至ってまだそんな…。あの意地や頑なさはいったいなぜ」とため息した。

 私にはわかる。

 50回ダウンロードせよ、と指示した自分に従わなかった私への怒り、だ。
 その怒りの根源には、「この私」がある。未経験者の50代男性の「俺様」と同じだ。

 下働きとされるアシスタントディレクターもまた、自任と他者評価の温度差に憤る。

 「ネットにあげる圧縮方法も、知らないなら聞けばいいのに、聞かないんです」嘆く上司。

 「この私」がある以上、自分の正しさに執着するのも驚くことではなく、他人にうかがいをたてる、という謙虚さを願うのも空しい。

 家でSDカードを見て驚いた。
 変換用メディアがないとパソコンで開けないタイプのSDカードだった。

 「これがないと見られません」と、メディアチップごと貸す方法もあったのに、一切触れずSDカードのみを黙って渡すところにまだ女性の意地が届いた。

 私がこれまで出会った、たくさんの「この私」系女性たちを走馬灯のようによぎらせながら、ため息をついて、家電店に出向いた。

 この時代、「データちょうだい」「はい」で、一分で終わる用事が、「この私」にかかると、10日を要し、大勢の責任者たちが詫びで右往左往することになった。

 「この私」だけが、平然としている。

 プライドの高い部下に共通してある「この私」と「俺様」の真の恐ろしさは、本人が生涯それに気づかないまま人生を終える可能性があるということ。憤りは自分に向かず常に他者に向く。私はそういうタイプには距離を置き怒らない。治らないし面倒だからだ。

1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 15:50:51.52 ID:rsf2QqAFO
女『ここ…ネカフェなのに…っ////感じちゃぅ…////ビクンビクン』

2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 15:51:31.41 ID:mSuzgC7q0
その頃ナメック星では・・・

3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 15:53:00.13 ID:+ASrFbuw0
ナメック星人『ここ…フリーザ軍収容所なのに…っ////感じちゃぅ…////ビクンビクン』

4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 15:53:58.72 ID:yE7yrvqe0
その頃グランドラインでは・・・

5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 15:56:13.22 ID:5Tti6/Y70
アーロン『ここ・・・牢獄なのに・・・っ////感じちゃぅ…////ビクンビクン』

10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 15:58:34.83 ID:u6grJLbG0
その頃磯野家では・・・

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 15:58:36.85 ID:i0wv4eV80
その頃ラピュタでは・・・

12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 15:58:46.64 ID:QTdkdCht0
そのころM78星雲では

16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 16:01:13.92 ID:uB4k8LDq0
カツオ『ここ…ラピュタの中なのに…っ////感じちゃぅ…////デヤッデヤッ!』

24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 16:04:44.29 ID:sZdVTdOaO
»16
»10-12無理矢理詰め込むなwwwww

243 名前: 社会科教諭(樺太) 投稿日:2007/12/08(土) 17:13:26.58 ID:YDCygJ8MO
»241
それマジで言ったん?ソースあんならすぐ出せ

マジならキテレツファミリー総力をあげてキッチンに進むが

246 名前: 花見客(熊本県) 投稿日:2007/12/08(土) 17:14:04.42 ID:EGAiRXir0 
»243
勝手にいざ進めや

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/04/09(金) 03:27:27.73 ID:gydWiUlZ0
ファミチキください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/04/09(金) 03:29:43.69 ID:yF/UckMxO
いきなりでけぇ声あげんなよ
うるせぇよ

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/04/09(金) 03:31:08.67 ID:gydWiUlZ0
(ファミチキください)

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/04/09(金) 03:32:20.83 ID:iIJpfyabO
こいつ直接脳内に・・・!

哲学的名言集

水素と酸素が反応して水ができる。

しかし本当にそう断言していいのか?

明日も同じ結果が出るという保障がどこにある?
明後日はどうだ? 一億年後は? 
あるいは、十億年前は?
追試験をやったヤツ全員が虚言症だったら?
再現性と簡単に言うが、
完全に同じ条件を再現して実験をするなんて厳密には不可能だろう?
『あのときの水素』と『今ここにある水素』がまったく同じものであることを
どうやって証明したらいい?
水素と酸素の反応にもし空間上の座標軸が関係していたら?
同じ実験をやって地球とM78星雲ではまったく違う結果が出たらどうする?

客観性と再現性を本気で追及しようとしたら、科学は何ひとつ証明できない。

というわけでだ、『ある程度の』客観性と再現性があれば、
それは科学的には認められることになっている。
しかしそれは、そういうことにしておかないと何事も進まないから仕方なく、
という「ナアナアの決め事」にすぎない。
これが宗教なら、
実験だの何だのという七面倒くさい手続きを全部省略して
一足飛びに真理に到達できるのかもしれん。
そうやって到達した真理がなんぼのもんかは別としてな。

ところが科学はそういうやり口とは袂を分かってしまったせいで、
『近似値としての正確さ』を手に入れるのと引き換えに
真理との距離を無限大にしちまったわけだ。
なにしろ例外の可能性は、無限に存在するからな。
科学がアキレスなら真理が亀さ。

しかしな、そのアキレスと亀の隙間にオカルトは潜むんだ。

心霊写真のインチキを一枚一枚暴いていったところで
心霊現象そのものの否定にはたどり着けないし、
スプーン曲げや念写のトリックをいくら見破っても
本物の超能力者がどこかにいるかもしれない可能性をゼロにはできない。

科学は科学であるが故に
オカルトを絶対に論破できないんだ。

ちょきがぐーに勝てないようにだ。
科学は、自分でアキレスになることを選んだはずだし、
それが科学の短所であると同時に長所でもあるはずなんだ。
いつまでたっても亀に追いつけないのが苛立たしいのなら、
とっとと科学なんぞやめて宗教でもやればいいんだよ。

太陽系電波新聞部編集長 「イリアの空 UFOの夏」

続きを読む…

空を自由に飛ぶために必要なものと、少しの誇張

世の人は言う。
「WarCraft3を完成させたのは、彼だ。」と。

けれども、彼はプログラマーではない。
デザイナーでもなければ、プロデューサーでもない。
グラフィッカーでもなければ、マネージャーでもない。

ただの、1人の、ゲーマーだった。
少なくとも、シンガポールのあの夜までは。
















その日、WarCraft3は死んだ。
いや、死んだのではない。
殺されたのである。

eSports Player of the Year 2006をはじめ、世界中のタイトルというタイトルをその手に収めた、プロゲーマーの中のプロゲーマー、歩く4K.GrubbyことManuel “4K.Grubby” Schenkhuizenの手によって、累計1000万本のセールスを記録した歴史上最も重要なリアルタイムストラテジーゲームであるWarCraft3 はその体温を失い、ゆっくりと、静かに、大地へと飲み込まれ、そして消えていった。











そんなに遠くではないけれど、過ぎ去ってしまった古きよき時代。
まだ、Asiaと世界が繋がらず、別々に存在していた時代。
あの頃、WarCraft3は、生きていた。


アンデッド、オーク、ナイトエルフ、そしてヒューマン。

まったく違う特性を備えた4つの種族が、絶妙なバランスで共存していた。どの種族もうまくやれば他の種族を出し抜けるだけの潜在能力があると考えられてい た。それぞれの種族には個性的なトッププレイヤーがいて、世界中のWarCraft3プレイヤー達は自らが扱う種族のスタープレイヤーに入れ込み、追いか けては、その結果に一喜一憂していた。


アンデッドには、2004年のeSports Player of the Yearにして、最初で最後のスーパースター、伝説の空飛ぶアンデッド、MaDFroGが。

オークには、今やWC3シーンそのものと呼ばれるまでになったプロゲーマーの中のプロゲーマー、歩く4K.Grubbyこと4K.Grubbyが居た。

ナイトエルフには、元マップハッカーという経歴を持つシーン最大の悪役、ロシアの犯罪者”The maphacker”deadmanが居て。

ヒューマンには、シーンで最も尊敬を集める男であり、模範的プロゲーマー、世界で2番目に有名なブルガリア人、Insomniaが居た。






そして、その日、事件は起こった。

欧州最強クラン、いや、世界最強クランSK-Gamingのエースプレイヤーであり、欧州最強ヒューマン、いや、世界最強ヒューマンであったSK.Insomniaと、4K.Grubbyが戦ったのである。




けれども、それは普通のありふれた対戦ではなかった。
世界最強オークと、世界最強ヒューマンの決戦ではなかった。

何が違ったのか?
それは、Grubbyの選択した種族である。




WarCraft3には、前述の通り4つの種族が存在している。
けれども、実は、もう1つあった。

「random」
で、ある。



用意された数多くの個性的なマップで、それぞれの戦術や戦略を相手に応じて用意し、一分の狂いもなく繰り出さねばならないプロゲームの世界で、ゲーム開始 まで自分の操る種族がわからないという「random」を選択する事は、当時としては自殺行為だと思われていたし、今でも自殺行為だと思われている。それ は、シーンに未だ誰一人として、「random」を操るプロゲーマーが存在していないという事実からもよくわかる。




ところが、Grubbyはプロゲームの大会という1つの舞台で、世界最強ヒューマンを向こうに回して、「random」を選択したのである。

あのGrubbyがオークを使わなかった。
それは、確かに驚くべきことだった。





でも、本当の問題は、そんな事ではなかった。
世界の関心は、もっと深刻で、もっと重大な2つの事件に向いていたからである。





1つは決戦を前にGrubbyが放った言葉。
「Human suck」

そしてもう一つは、決戦の結果。
Grubbyは、一度も自らの種族であるオークを引き当てる事なく、SK.Insomniaを圧倒し、完膚なきまでに叩きのめし、葬った。いや、正確に言 うと違う。4K.Grubbyがその日叩きのめしたものは世界で2番目に有名なブルガリア人SK.Insomniaではなく、”ヒューマン”という種族そ のものだった。4K.Grubbyがその日破壊したものは、世界最強クランの看板エースのプライドなどではなく、WarCraft3そのものだった。




その日、WarCraft3は、静かに死んだ。

誰かが言った。
「WarCraft3のバランスは糞だ。」
もはや、誰も反論する事は出来なかった。

4つの種族が用意されていて、4つの選択肢があるはずだった。
それぞれの種族に強さがあり、それぞれの種族にファンが居た。
けれども、そんな時代は、この日、終わった。




Grubbyが看破し見出し先鞭をつけた対ヒューマン必勝法は、あっという間に世界中に広まってしまった。駆け出しの新人プレイヤーレベルから、トッププ ロに至るまで、全てのレベルでヒューマンは鴨にされ、いびられた。話にならない弱小種族として弄ばれた。同じ腕前のプレイヤー同士の対戦でヒューマンを選 択しようものなら、もうその時点で負けたも同然だった。

「ヒューマンが相手だと負ける気がしないので楽しい」という声があらゆるレベルで漏れ始めたが、それはすぐに「ヒューマン相手のゲームは勝ったも同然なのでつまらない」という声へと変わって行った。




誰かが言った。
「WarCraft3は糞だ。」
誰も反論する事は出来なかった。

「ブリザードエンタテイメントはなにをやっているんだ!」
罵声が世界を駆け巡り覆った。
どうしてヒューマンを強化しない!
なぜ最弱種族を放置したままにしているのだ!

返事は無かった。
まるで屍のようだった。




一人、また一人とヒューマンプレイヤーが他の種族に転向して行った。韓国で行われた世界大会の予選では、上位64名の中にヒューマンプレイヤーは1人も居 ないという惨状だった。その昔最強プレイヤーの一人と目されていた北欧の雄はヒューマンに拘り続けた結果スタメン落ちし、やがて解雇され消えていった。最 強ヒューマンであったSK.Insomniaまでもがスタメン落ちし、トップシーンから転落していった。ヒューマンはもはや、存在しないも同然だった。

もちろん、世界中のヒューマンを代表するプロ達が何の手も打たずに消えていったわけではない。世界中のヒューマンプレイヤー達は、なんとかしてゲームを成立させようと、自らの町に山のように防御塔を建てて陣地を構築し、引き篭もって守り、相手の失策を待ち続けた。

「負ける気がしないので楽しい」から「勝ったも同然なのでつまらない」へと遷移していたWarCraft3プレイヤー達のヒューマンという種族に対する素朴な感想はやがて、「引き篭もるしか脳の無い連中を相手にするのは退屈だ」というものへと移り変わっていった。








誰かが言った。
「WarCraft3は糞だ。」
もう、誰も反論する事は出来なかった。

「ブリザードエンタテイメントはなにをやっているんだ!」
罵声が世界を駆け巡り覆った。
どうしてなぜヒューマンを強化しないんだ!
なぜブリザードは最弱種族を放置したままにしているのだ!

返事は無かった。
まるで屍のようだった。
事実、屍みたいなものだった。






「もう、終わったんだ。」誰かがつぶやいた。

親会社の経営失敗に端を発したお家騒動で、ブリザードエンタテイメント社はボロボロだった。Diablo、StarCraft、WarCraft、 World of Warcraftといった、ビデオゲームの歴史に渾然と輝く名作を世に送り出した鬼才ビル・ローパーを始めとして、「100万本売れないゲームは作らな い」というテーゼを抱えてそれを実行し続けてきた世界最強のゲームデベロッパーであったブリザードエンタテイメント社の中核を成した人々のほとんどがブリ ザード社を去り、誰も知らないどこか遠くの奥の方へと、飲み込まれるようにして消えていった。

「もう、みんな終わっちゃったんだよ。」
誰かが吐き捨てるように、そう言って席を立った。




それは、些細な出来事だった。
些細だけれど、深刻な事件だった。

ロシアの犯罪者、ナイトエルフのdeadmanを葬ったヒーローが最強ヒューマンを打ち破った事自体は、何の問題も無かった。伝説の空飛ぶアンデッド、最 初で最後のスーパースターmad frogを前後不覚に陥るまでに叩きのめし引退に追い込んだ最強オークが、最強ヒューマンを打ち破った事自体は、何の問題も無かった。




けれども「Human suck」のあまりにも真実を貫きすぎた一言と、「randomに負けた最強ヒューマン」という事実は、WarCraft3の終わりの始まりだった。歩く 4K.Grubbyこと、4K.Grubbyが見つけたヒューマンという種族の穴は、やがて大きな穴となり、WarCraft3そのものを飲み込んで、終 わりに向けて、押し流し始めた。

かつてオランダの名も無き少年が、堤防に見つけた小さな穴に自らの腕を差し込んで決壊を防ぎ国を守ったのとはちょうど真逆に、オランダの悪童Grubbyは自らが見つけ出した小さな穴にその腕を差込み、こじ開け、シーンそのものを崩壊させて行った。









かつて、誰もがその勇気と技術に裏打ちされた斬新な戦略に驚き憧れたSK.Insomniaは防御塔を建てては引き篭もり、負け続けた。「私はヒューマン を決して捨てずに戦い続けるよ。世界中のヒューマンプレイヤーの為にね。」insomniaはそう言ったけれど、それは絵空事だった。彼がヒューマンを選 択し続けていたのは事実だけれど、戦い続けてはいなかった。ただ、プライドだけを胸に、引き篭もっては惨めに負け続けていただけだった。

圧倒的に繊細な操作と革命的なテクニックでナポレオンとまで称された新時代のヒューマンプレイヤーであるToDは、負ける度にこう言い続けた。「俺は世界 で一番上手い。俺は世界で一番強い。俺は世界で一番美しい。」それは確かに、事実であった。世界がそれに同意した。ToDは圧倒的に上手かったし、圧倒的 に強く、そして圧倒的に美しかった。

「世界で一番上手い俺が負けるのはブリザードのせいだ。」確かに、そうとしか思えなかった。「世界で一番強いはずの俺が負けは俺の敗北ではなく、ブリザー ドエンタテイメントそのものの敗北だ。」それは紛れも無い事実だった。ToDは自らが敗れる度に、とてもここじゃあ書けないような暴言ワードで満たされた 罵詈雑言でブリザード社を罵り続けた。世界中の、未だWarCraft3を見捨てられずにいる人達が彼を支持した。よくぞ言ってくれた、ToDは正しい、 bliz(ブリザードエンタテイメント社の略称)は糞だ、と。



「ブリザードは何をしているんだ!」
皆が叫んだ。
誰もが懸命に叫んだ。
叫んだけれど、返事は無かった。
そこにあったものは、ただ屍だけだった。
かつて歴史上最も偉大だったリアルタイムストラテジーゲームの屍だけだった。かつてゲームの歴史の流れの中で最も重要なゲームデベロッパーの1つだった、ブリザードエンタテイメント社の屍だけだった。









世の中は不公平で、世界は不平等だ。
人であろうとする限り、未来なんてものは来やしない。
野蛮な奴らと、死んだ目をした奴ら、暗いところでこそこそやっている腐った老いぼれども。勝ち目なんて端から無いんだ。そんなふうに出来ているんだ。そういう仕組みなんだ。もう諦めて、どこか遠くへ行こうじゃないか。パーティは終わったんだよ。




一人、また一人と人はWarCraft3を見捨てて、他の知らない何処かへと旅立って行った。ヒューマンの弱さにうんざりとして。
バランスの崩壊した糞ゲーに見切りをつけて。

新天地を求めて。

ある者はWarCraft3を切り捨てて大学生になり、ある者はWarCraft3に見切りをつけてプロポーカープレイヤーになった。ある者はWarCraft3と決別してPerlHackerになり、ある者はWarCraft3を投げ捨ててブロガーになった。

ヒューマンの弱さを改善するパッチをブリザードエンタテイメント社に期待している人なんて、もうどこにも居なかった。世の中は不公平で、世界は不平等。そういうもんだと、みんなが諦め、去っていった。重たく冷たい現実と向き合う事に、嫌気がさして逃げ出して。

















World Cyber Games 2005 Singapore。
dead or aliveで日本人選手が優勝した大会、と言えば、わかる人はわかるかもしれないし、2002年度にはhalenが優勝した大会と書けば、伝わる人には伝わるかもしれない。




彼はそこに居た。
WE.Skyその人である。

誰も彼の事なんて気にしては居なかった。
World Cyber Games 2005には、Grubbyが居て、deadmanが居た。世界中から綺羅星の如き名手達が集っていた。古い人、新しい人、旬の人。それは最高のメンバー だった。最弱種族のヒューマンを操るプレイヤーに興味を持つ人なんて一人もいなかった。ヒューマンが予選を勝ち抜けるなんて、中国のWC3はレベルが低す ぎると、人々は彼の存在自体を馬鹿にした。だが、それは束の間であった。

決勝の舞台。
彼はそこに居た。
WE.Skyその人である。




そして、起こった。
遠い昔に死んだはずのWarCraft3が、突如として息を吹き返したのである。

WE.skyに相対するは4K.Grubbyを破って決勝に進んで来た米国代表のShotround。GrubbyとToDの2人を軸に世界最強クランへ と成り上がっていた4K(team four-kings)への入団が囁かれる程に、油の乗ったプレイヤーだった。その彼が、10分と持たなかった。何も出来なかった。見せ場の1つも作れな かった。戦う事すら許されなかった。skyは圧倒的だった。そして完璧だった。誰もが予測する事の出来なかった瞬間に、想像を絶するタイミングで現れた新 手無傷の銃兵部隊の矢玉の雨に、世界中が絶句した。声を失なった大観衆の大声援が、次の瞬間会場を沸騰させ、Shotroundはマウスを静かに置いた。




何が今起こり、何が起ころうとしているのか。
何故、こんな事になっているのか。
もう、どうでも良かった。

死んではいなかったのだから。
それは、確かに、生きていたのだから。




「will played」
Shortroundは、最後に一言消え入るようにそう言って消えた。


世界中が彼を馬鹿にした。
「will playedてwwww」と、彼を笑った。
けれども、それを笑えない人達が、世界には存在していた。

負けても負けても負け続ける事自体が存在価値と化してしまっていたSK.insomnia。Skyの登場によって、insomniaが耐え忍んだ長く苦しい屈辱の日々は、一夜にしてただの道化となってしまった。

そして、もう一人。







でもそれは、まだ、フロックだと思われていた。
多くの人達が、そう受け止めていた。トーナメントの組み合わせの妙で生じたまぐれだと思っていた。事実、skyはその名声を確定させていたような世界的名手と一度も戦う事なく、楽な組み合わせを勝ち上がり優勝していたのである。

「skyはトッププレイヤーと当たらなかったから優勝出来た」
きっとそうだと、多くの人が考えた。




そんな僕らに、現実が突きつけられる日はすぐに訪れた。

WCG2005から間をおかずに開催された世界規模の大会で、skyはまたしても決勝に進んだ。決勝の相手は、プロゲームシーンから隔離されたアメリカの 選手などではなかった。本物のGOSUプレイヤーだった。圧倒的な操作量と状況判断能力と知性で全ての種族を完璧なまでに使いこなし、「勝つ為に最強種族 であるナイトエルフを選択した」と公言して憚らない”Master of WarCraft”の異名を持つプロゲーム先進国韓国が誇る最強ナイトエルフ、達人remindその人である。




remindはskyが繰り出してくるであろう戦術の全てを頭に入れ、それらそれぞれの戦術に対して100%の対策を立ててきていた。remindに、負 ける要素は1つも無いように思えた。「ヒューマンに負けるremindの姿」どころか、remindの負ける姿そのものが想像出来ないくらいに、あの頃の remindは完璧だった。

ゲームはremindで始まった。
remindの操るヒーローはマップ中を所狭しと飛び回り、skyの出足挫き、その立ち上がりを完璧に封じた。ヒーローのレベルも、内政面でも兵力でも、 remindは大きなリードを奪い、見事にゲームを支配していた。最激戦区の韓国予選を勝ち抜いた、達人の名は伊達ではなかった。中国と韓国では、あまり にレベルが違いすぎた。




ところが、remindがナイトエルフの最強ユニットである熊をそろえ始めた頃、なにか、奇妙な事が起こり始めていた。肉弾戦最強ユニットである熊を出さ れたならば、ヒューマンの側もナイトを出し、プリースト/ソーサレス/モルタルチームで後方から支援しなければヒューマンに勝ち目はない、というのがそれ までのヒューマンvsナイトエルフの常識だった。




ところが、skyはその常識を完全に放棄した。

skyが選択したユニットは、ナイトではなく、プリーストでもなく、モルタルチームでもなく、ヒューマンの最強Airユニットであるグリフォンライダーでもなかった。

skyが選択したそれは、「ライフルマン」だった。
skyはただ只管に、銃兵を生産し続けていた。




「skyは馬鹿だ」
世界中がそう思った。熊を相手にライフルマンを出すというのは、まったく馬鹿げた事のように思えたし、事実その日その時までは、確かに馬鹿げた事だった。いや、今でもそれは馬鹿げた事なのだ。けれども、その日、その瞬間、その場所でだけは違っていた。

銃兵隊を揃えたskyは敵陣へと猛進し、決戦を挑んだ。戦況は圧倒的に不利だった。序盤を完全に支配されたskyの勝算は0に等しく見えた。それは、やけっぱちのpushにしか見えなかった。

自陣を防衛すべく迎え撃った万全のremindの大軍勢は、skyのpushを事もなげに押し返し、skyに撤退を強いた。

自陣へ向けて一目散に逃げ出したskyの銃兵隊は時々足を止め、立ち止まっては斉射を行い、その射撃モーションが終わると同時にまた背を向けて逃げ始め た。skyの銃兵隊が足を止める度に、remindの軍勢がライフルマンに肉薄し、襲い掛かり、痛打を加えた。skyが立ち止まる度に、skyが斉射を行 う度に、remindの勝利が近づきつつあった。最強肉弾ユニットである熊に追い立てられた間接攻撃ユニットのライフルマンは、紙切れのように脆く切り裂 かれて行った。

remindは万全の精度でそれを行った。逃げ遅れたライフルマンを巧みに包囲し、退路を断ち、一人一人止めを刺していった。skyの銃兵隊はremindの猛追によって5時の方向と11時の方向に分断され、あとは各個劇はされるだけ、という局面であった。

「skyはよくやったよ」誰かが言った。
確かに、skyはよく戦った。あのremindを向こうに回し、見事に見せ場を作っていた。会場を盛り上げ、シーンを盛り上げるだけの戦いを見せた。勇敢 に全軍総出の決戦を挑み、引き撃ち(退却しながら攻撃する)という自らが選択した戦術を、完璧なまでにやってのけていた。けれども、相手が悪かったのだ。 達人remindに序盤を支配されて、勝てる人間なんてどこにもいないのだ。




次の瞬間、skyが反転した。
彼は「引き撃ち」を完全に放棄した。

右下5時の方向から分断された一翼が、左上11時の方向から分断された本体が、skyの本拠地がある左下7時の方向からは(Shortroundを葬ったあの時と同じように)新手無傷の銃兵部隊が突如として現れ迫り、remindの全てを包み込んだ。

全ての方角から銃弾がremindのヒーローに突き刺さり、remindはヒーローを立て続けに失った。あっという間の出来事だった。軍隊の核であるヒー ローを失ったremindは、あと一歩で止めをさして壊滅させる事の出来る大量の瀕死のライフルマンを目の前にしながら、もはや退却するしか術は無かっ た。




remindは、「傷ついた兵は退却させて温存し、回復させて戦わせるものだ」というWarCraft3の常識に基づき、傷ついた自らの兵を繊細な操作で 少し離れた位置に退避させて休ませていたり、より安全な戦線へと再配置をしたりしていた。瀕死の兵は丁寧に、本陣に退却させて回復し、敵に殺されて相手 ヒーローの経験値に化けてしまう事を避けていた。それは教科書通りの完璧な操作だった。達人の名に相応しかった。

その誰よりも完璧な達人remindの「完璧さ」をskyは突いたのである。

「傷ついた兵は退却させて温存し、回復させて戦わせるものだ」というWarCraft3の常識を放棄し、ライフルマンという鈍足で脆く経験値の多いユニットを囮として意図的に使い捨てにしながらremindの戦線を引き伸ばし、戦力密度を拡散させた。

skyの兵にきっちりと止めを刺し経験値に変えていたremindのヒーローは、Lvアップを繰り返していた。

その軍隊の中核であったハイレベルなヒーローが僅かに突出した瞬間を見逃さず、skyは反転したのである。remindは慌てて熊を集め、ヒーローの退路 を切り開こうとしたけれど、それはもう手遅れだった。何もかもが遅かった。skyの掌の上だった。remindのヒーローは皆、skyのヒーローの経験値 となり、戦局は一変した。

skyはそこからも、常識を打ち破り、瀕死のライフルマンをほうぼうで囮として使い捨て、見殺しにしながらremindの陣地を壊滅させた。一見すると素 人のプレイかと見まごうような、下品で乱雑な責めだった。中にはそのプロゲーマーとは思えないような”雑さ”即ち”下手糞さ”を馬鹿にする人もいた。けれ ども、それが幾多の理論と練習に裏付けられた彼のスタイルだったという事は、今では世界の知るところである。

remindは1ゲーム目を落とし、2ゲーム目も全く同じ手法で負けた。
remindが悪かったのではない。
skyが良かったのである。









もはや、それは、まぐれではなかった。
紛れも無い、現実であった。

insomniaは笑って言った。
「もう私の試合なんて見る必要なんてないよ。」
ヒューマンを見たいのならば、WE.skyを見ればいいんだ、と。









けれども、広い世界にただ一人だけ、その現実を受け入れる事を頑なに拒み続けている男が居た。年齢不詳の真実の口。フランスが生んだ物言うナポレオン。
“世界で一番上手い男”、4K.ToDである。





skyの登場に最もショックを受けたのは他ならぬToDだった。

「こんなにも上手い俺が負けるWC3のバランスはおかしい」というToDの考え事実真実本当のことが一夜にして崩れ去ってしまったのである。

世界は手のひらを返した。
ToDに対する評価の針は、端から端へと振り切れた。

「勇敢に物怖じすることなく、WarCraft3の問題点を歯に衣着せぬ物言いでブリザード社に突きつけ続ける全人民の代弁者」であり、正しくシーン最大の英雄であったToDは、skyの登場によって「醜い言い訳を繰り返す負け犬」になってしまった。

たった一人の男の登場によって。





「こんなにも上手い俺が負けたのはヒューマンが弱いせいだ」
「こんなにも強い俺が負けたのはヒューマンが弱いせいだ」
「こんなにも美しい俺が負けるのは全てblizの責任だ。」
ToDが繰り返してきた主張は全て、「sky」の一語で覆された。「コイツ何言ってんの?」「フランス人は口だけだな。」世界中から笑いものにされたToDは、やがて、言葉を失い沈黙した。




ToDは言葉を失った。
ToDは支持を失った。
ToDは逃げ場を失った。
けれども、ToDは消えなかった。

ToDに必要だったもの。
それは皮肉な事に、skyの存在そのものだった。
見果てぬ闇夜を切り開き常識を破壊する勇敢さを持った道先案内人だった。そして、その革命児が「WE.sky」であった事は、ToDにとって何よりの希望の源だった。




なぜならば、skyは「下手」だったからである。
そして、ToDは、世界で一番上手かった。

ToDはskyが切り開いた道を必死で辿って猛進した。ToDの強さはあっという間にskyに追いつき、そしてあっという間に追い抜いてしまった。

skyの全てを研究し、skyの全てをコピーし、skyの全てを進化させ、ToDは宇宙で一番上手いプロゲーマーとなって蘇り、シーンへと帰ってきた。

世界的な大会の決勝戦で、それまで一度として勝つ事の出来なかった、4K.Grubbyを打ち破って。





そして、ToDは言った。

「俺がGrubbyに勝てたのはヒューマンが強いからなどではなく、俺が圧倒的に上手く、強く、美しい、完全無欠のプロゲーマーだからだ。」「ヒューマン は明らかに弱すぎる。優勝した俺が言うのだから間違いない。」「ブリザードエンタテイメントは糞だ。」「WarCraft3のバランスは糞だ。」

そして、ToDは、こう言った。
「最弱種族を操りGrubbyを倒した俺を称えよ!」
「ブリザードエンタテイメントは糞だ。」
「WarCraft3のバランスは糞だ。」



不思議な事に、おかしなことに、4K.Grubbyを打ち破って世界タイトルを勝ち取ったToDを賞賛する声は、世界中どこを探して一つも聞こえてこなかった。








誰よりも上手く、誰よりも強く、誰よりも美しい、最も完成されたプロゲーマーである自らを、誰一人として賞賛せぬという理不尽。ToDはその理由を捜し求め、そして見つけた。その理由を。その男を。そして誓った。消し去る事を。



彼は中国に居た。
WE.Skyその人である。




ToDはskyより強い。
世界はぼんやりとその事実に気がついてしまっていた。中国のレベルは非常に低く、skyの練習相手のレベルも自ずから低かった。一方のToDには、世界最 強オーク4K.Grubby、世界最強アンデアッド”名勝負製造機”4K.FoV、欧州最強ナイトエルフ”欧州の未来”creoplsという、鬼のような チームメイトが居た。彼らはToDの練習相手であり、またブレインでもあった。問答無用の最強面子と切磋琢磨し続けた結果、ToDの上手さは異次元へと突 入しようとしていた。

ToDはskyより上手い。
それは紛れも無い事実だった。

ToDはskyより美しい。
それは紛れも無い事実だった。

ToDはskyより強い。
それも残念な事に、事実であった。

誰よりも上手いToDは、常人では決して行えないようなリスクを背負い、その自ら作り出したピンチを圧倒的な上手さで切り抜けるというプレイスタイルで、 見る者全てを魅了した。そんな人々の心を捉えて離さない芸術的な試合を繰り返し続けるToDを賞賛する声が世界中どこを探して駆け回っても一切聞こえてこ なかった理由については、皆様の想像にお任せしようと思う。




そして、ToDは、中国へ飛んだ。
WE.skyを打ち破るべく。
万全を期して。




大蛇に四肢を書き入れて天高く舞わせた男、WE.IGE.sky。
宇宙で一番上手い奴、Grubbyの金魚の糞、4Kの汚物4K.ToD。

2本先取。
言い訳不能、逃げ場無し。
敵地中国に乗り込んで、ToD背水の決戦だった。




その、大事な1ゲーム目を、ToDは落とした。
WarCraft3には、プレイヤー以外の勢力(中立モンスター)が存在し、それを倒すとアイテムと経験値を手に入れる事が出来る。その落とすアイテム運 によって、ゲームの流れが大きく傾く事がある。このゲームが、それであった。圧倒的な運で良アイテムを手に入れたskyを相手に回して、ToDに出来る事 は何も無かった。

もしもその場でToDにインタビューすれば、きっとこう言っただろう。「ブリザードエンタテイメントは糞だ。」「WarCraft3のバランスは糞だ。」と。




けれども、まだ終わってはいなかった。
ToDには勝算があった。

WarCraft3にはアイテム運によって流れが変わるマップと、アイテム運くらいでは流れの変わらないマップが存在する。そして、残り2ゲームは後者であった。運の介入する余地の無いマップであった。

そして迎えた2ゲーム目。
ToDは中国全土を沈黙させた。
ToDを馬鹿にしていた世界中の人々までをも黙らせた。

ToDは圧倒的に上手く、圧倒的に強く、圧倒的に美しかった。
他のトッププロと比較しても、段違いに上手かった。
skyなど、比較対象にならぬくらいに上手かった。

ToDの操るヒューマンは、まるで別の生き物のようにぬるぬると動き、skyの全てのプレイングはその美しさの引き立て役にしかなっていなかった。もはや 試合ではなかった。それはToDのプレゼンテーションだった。その異次元の強さは、ToDがこれまで放ってきたどんな言葉よりも雄弁に、ToDの素晴らし さを物語っていた。反論の余地は無かった。こんなものを見せ付けられては、もはやToDの凄さを認め称える以外に道は無かった。全人類が、ToDにひれ伏 そうとしていた。




けれども、そこには運悪く、あの男が居た。
WE.Skyその人である。





最後のゲームとなった3ゲーム目。
泣いても笑っても最後のゲーム。
それは、ToDのゲームだった。

最初の農民がready 2 workと声を上げた瞬間からもう、ToDは美しく強かった。全く同じ事を行うにしても、ToDはskyよりも遥かに正確にそれを行う事が出来たし、はる かに素早く行う事が出来た。最初の1分で生み出されたたった5秒のアドバンテージは、鼠算式に膨らんで、ToDはskyの5分先を行き、あらゆる局面で圧 倒し始めていた。一方的な、ワンサイドだった。あとはskyにggと言わせて負けを認めさせれば良いだけだった。それはToDにとって、あまりにも easyなミッションだった。




そんな時、skyが旅立った。

全ての農民を引き連れて、自陣を完全に空にして、skyは遥か遠くを目指した。ToDは見事な偵察力でそれを捕らえ、行軍するskyの軍勢に襲い掛かった。農民を狩り、兵を狩り、召喚ユニットを消し去り、道行くskyをボロボロにしていった。

skyは、一切応戦する事無く、それを無視した。「俺を無視するな」と襲い来るToDを完全に無視した。「さあ戦え!そして敗れ去れ!」と叫ぶToDを、放置したままで歩き続けた。ToDなどという人は、地球上に存在していないかのように振舞った。

そして、出発時の半分以下になった大量の農民を含むskyの全部隊は、ToDの本拠地へと辿り着いた。skyの農民はToDの本拠地をまるで自らの本拠地 であるかのように振舞いだした。防御塔を建て、陣地を構築し、ToDの生産拠点を次々と封鎖していった。もう、何もかもが手遅れだった。






ヒューマンの最強ユニットであるナイト。
回復を担当するヒーローであるパラディン。
瀕死の味方を本拠地にテレポートで退避させる事の出来る杖。

この3つを揃えたToDは無敵だった。
ToDのヒーローを倒そうと攻撃を集中させると、パラディンのヒールで回復させられ、パラディン自体を倒そうにも、パラディンが持つ無敵化のスキルのおか げでダメージを与える事すら出来ない。ToDのナイトを殺そうとして攻撃して瀕死に追い込んでも、退避の杖でテレポートさせられ、止めを刺す事が出来な い。

「それを揃えさせない為にどうすればいいか」
というのが、ToDへの唯一の対抗策だった。




ところが、skyはその常識を覆した。skyはToDの無敵モードを発動を許した。いや、許したのではなく、意図的にToDの無敵モードを引き出した。あとは、ToDの美しいショータイムが訪れ終わるだけだった。

ところが、ToDは、無視された。
「パラディン」「杖」「ナイト」という、ありとあらゆる戦闘での勝利を確約してくれるはずの三種の神器を揃えたToDは、skyに完全に無視された。

ToDは、呆然と立ち尽くした。
逆にskyの本陣を襲うという手もあった。

しかし、skyは農民をToDの本陣(資源地帯)へと到達させていた一方で、ToDの農民はskyの構築した鼠一匹漏らさぬまでの塔の壁に阻まれ、外へ出る事が出来なかった。

仮にskyの本陣を壊滅させた所で、それを奪う事が出来なければ、ToDの本陣を乗っ取ったskyの資金力の前に消耗を余儀なくされ、あとはあとは敗れるだけだった。




ToDは、瞬時にそれを理解した。
もう、何もかもが手遅れだった。

自らがskyに敗れた理由を。
世界が己ではなくskyを認める理由を。




ToDはそれから10分もの間、「パラディン」「杖」「ナイト」という三種の神器を揃えた本隊を、何をするでもなく、ただ右往左往させ続けた。ToDの本拠地を乗っ取ったskyの農民達が新しい建物を次々と建てて行く様を、何も出来ずにただ見ていた。

普通ならば、負けを認めて投了する場面であった。けれども、ToDはそれをせず、自らの最後の建物がToDの攻撃により破壊されるまで、芸術的な上手さで skyに嫌がらせをしたり、中立モンスターを狩ったりと、示威行動を繰り返しては、skyに無視され続けた。ToDは惨めだった。ToDは哀れだった。 ToDは孤独だった。

そして、宇宙で一番上手い男は負けた。
中国で最も勇敢な男に。










それでも、まだ、そういう人達は居た。
skyを嫌う人達である。

彼らは、ToDに心酔していた過去を忘れる事が出来なかった。
insomniaを称えていた過去を捨て去る事が出来なかった。
思い出にしがみ付き、skyを否定し続けた。
頼るべき論拠は幾つか在った。



skyは確かに世界規模の大会で立て続けに2つのタイトルを取った。skyは確かに世界で最も上手く、世界で最も強く、世界で最も美しいToDを叩きのめして打ち破った。けれども、それらは全てskyのホームグラウンドで行われた大会であり、イベントであった。

シンガポール、上海、そして北京。中国で行われた大会で中国人が勝っただけ。遥々彼方の遠くから、遠征してきた相手にホームでちょこっと勝つくらい、レクレアティーボにだって出来る。一部の人達はそう思い、skyを決して認めなかった。

そしてなにより僕らには、あの男が居た。






圧倒的な前評判を覆し伝説の空飛ぶアンデッドを引退に追い込んだあの男。ロシアの犯罪者を完膚なきまでに打ち破り英雄となったあの 男。”Grubby2.0”と称えられていたプロゲーマーを打ち破りその看板を自らの手で剥ぎ取って”Grubby 1/10”と名付けたあの男。”Grubby killer”とまで言われていたWarCraft3第五の種族を操る異才を、2v2でも1v1でも完封し「4K死すともGrubby死せず」と世界に衝 撃を与えたあの男。あの日「Human suck」の一言で、WarCraft3の息の根を止めたあの男。





“one word”!
“歩く4K.Grubby”!
そう、Manuel Schenkhuizen!

4K.Grubbyその人が。







舞台は、すぐそこにあった。
欧州最高、いや世界最高のプロゲームリーグ戦、WC3Lである。

その大舞台に初参戦した、skyの初戦。
彼は、名も無き相手に0-2で負けた。
何も出来ず、惨めに敗れた。
見せ場も無く、退屈に。
つまらない負け方で。

世界が、活気付いた。




「skyが何だって言うんだ?ホームで勝っていただけの事だろ。」「こんなつまらない負け方をする奴の試合なんてもう二度と見たくねえ。中国に引き篭もっ てろ。」「結局skyがWC3Lに持ち込んだものは、戦術でも、戦略でも、新風でもなんでもなくて、欧州の大会のウェブサイトに中国語でコメントをする迷 惑な中国人だけだよね。」これまで、溜まりに溜まっていた世界中のアンチskyの鬱憤がうねりを無し、skyへと殺到した。

それにskyは応えて言った。
「僕は世界で最も優れたプレイヤーではないし、世界で最も強いプレイヤーでもない。うまくいく事もあるけれど、うまくいかない事もある。少しでも期待に応えられるように努力するよ。」と。
女々しい台詞に皆が集った。
侮蔑嘲笑罵詈雑言が、世界中から集まった。








WC3Lシーズン9。
skyは初戦を除く全ての試合で勝利した。
驚くべき事に、たったの1ゲームも落とすことなく。
その勝利の中には、4K.Grubbyに対する勝利も含まれていた。

sky十八番のソーサレス/プリーストを打ち破るべくGrubbyが密かに用意した大戦車部隊が自陣を発ったその瞬間にskyの空軍がそれを襲い、対空能力を持たないGrubbyの大戦車部隊は、skyの軍勢に砲弾の一発も打ち込めぬまま、全滅した。











世の人は言う。
「WarCraft3を完成させたのは、彼だ。」と。









昨年末に行われたワールドカップのベスト8は、オークが1人、アンデッドが1人、ナイトエルフが1人、残る5人はヒューマンだった。あのinsomnia もそこにいた。蘇ったinsomniaはいつの間にか、再び欧州最強クランSK-gamingのエース格へと復活を遂げ、純粋な名声を再び得るまでに成っ ていた。




現状を見て、世の人は言う。
「ヒューマンはちょっと強すぎるんじゃないか?」と。

現実を見ず、彼は言う。
「ヒューマンは弱すぎるけど、まあ、ぎりぎり許容範囲かな。」と。




ブリザードはゲーム内最弱種族だったヒューマンを、パッチの度に弱体化させてきていた。その頃、ToDはこう言っていた。「ブリザードは WarCraft3を殺す気だ。」と。あれは、一体、何だったんだろう。ToDはあの頃からもうずっと、世界最強のプレイヤーになれるだけの力があったの に、どうしてToDじゃなくてskyだったんだろうかと。




skyと他の誰かとの違い。
それは、結局の所、ほんの少しの事だったんだと思う。




>>?了,高?,?了,也高?。

>勝って、喜んで、敗けて、うれしいです。

僕らに足りなかったものは、一体なんなんだったんだろう。




insmniaはメランコリックにヒーローを装ってばかりで自分を信じる事が出来ていなかったし、ToDは荒を探してはケチばかりつけていた。そんな事を しても何も変わりやしないんだって、知っていたはずなのに。そうしている間中も、WE.skyは、世界から、遠く離れた黄色い大地で、自分を信じて突き進 んでいた。多分、物事は単純で、僕らもそうすればいいんじゃないかな。




>>失?了,从中受到了挫折,吸取了??,
>>?了自己更大的?斗?力与目?,
>>?了?个?斗的?力?也???之喜?。

>失敗して、中から挫折を受けて、経験を吸収して、
>自分にもっと大きい奮闘の動力と目標をあげて、
>この奮闘の動力のためにもこのために言うことを喜ぶべきです。

僕らはいったい、何を恐れているんだろう。
どうしてそんなに臆病になる必要があるんだろう。















もう随分と眠ったじゃないか。
そんな夜を繰り返しても何も変わらないよ。

さあNOW、PCの電源を落として(もしくは、本を閉じて)、くだらないものにしがみ付くのをやめて、全てゴミ箱に放り込んで投げ捨てて。空を自由に飛ぶ 為に必要なものを取り戻しに行こうじゃないか。自分を信じる心と努力。簡単な事だろう。そうすれば誰だって空を飛べるし、そうすれば誰だって自由になれ る。どうせ失って困るものなんて実はそんなにないんだから。ToDみたいな事してないで、hemanみたいになっちまう前にさ。

行こうじゃないか、僕達も。
WE.skyに随分と遅れて。
——




——
sky(wikipedia)
WE.IGE.Skyインタビュー
中文引用元(WE.IGE.Sky的BLOG)

WC3L今シーズン(シーズン11)個人成績

DAICHIという夢、夢の終わり

ペレが空を飛んだというのは、ペレに関する事実の中でも最も有名な嘘である。






喋ることに かけて は右に出る者は居ないと自負する出自も知れない怪しげな人達が、フットボール場ではなくラジオ局でマイクの前に座り、一日中代わる代わるに思い思いを喋り 続けていた時代においても、フットボールはブラジル人にとってはセックスと並び人生において、最も重要なものの1つだった。

カナリア色のブラジル代表が旧世界、即ち欧州の国々と対戦する度に、彼らはただ喋り続けることにより、それを伝えた。映像が電波に乗るより以前、広大な国土を誇るブラジルという国において、ペレの姿を見た者は皆無に等しかった。

今なお最も偉大なフットボール選手の一人に数えられているペレの姿を、いかにして大衆の元に届ければよいのか。彼らはその巨大な難問と向き合い続け苦心惨憺を続けた結果、遂に、遂にペレは空を飛んだ。ペレは空を飛んでしまったのである。



けれども、誰一人としてペレ本人に「あなたは本当に空を飛んだのですか?」などと問いただす人は居なかった。それは、誰もがその嘘に気がついていたからなのではなく、むしろ、誰もがそれを、ペレが空を飛んだという事実を、真実であると頑なに信じていたからである。

ブ ラジルの黄金時代とでも言うべき長い戦後を支えたのは、その嘘を頑なに信じ続けた人々であった。ファルカンが、ソクラテスが、トニーニョセレーゾがそれを 信じ、ペレに憧れ、ブラジルという国を形作った。グレンホドルに言わせれば、「ブラジルのフットボールは嘘で出来ている」というわけである。

けれども、誰がそれを不誠実な行為であると責められよう。海を越えて試合結果だけが電信で伝えられて来る中で、90分もの間でたらめを喋り続けるような事が許された時代においては、ペレが空を飛ばない限り、ペレの偉大さが大衆の元に届くことは、決してなかったのである。



テ レビは、そんな時代を終わらせた。伝えたいという思いが先端技術を発展させて、それは普及し時代を変えた。映像は、常に真実だけを伝えた。街頭テレビのブ ラウン管は、ラジオによって作られた嘘を1つ1つ暴いていった。力道山は空手チョップで世界中の強者共を片っ端から薙ぎ倒し、日本国民はそれに酔いしれ た。

世界で初めてのテレビオリンピックとなった東京五輪において、テレビはそれを世界に伝え、市川崑だけがそれに刃向かった。市川は、オリンピックの100メートル走の決勝戦の、下半身だけを撮影し、誰が走ったのかも、誰が勝ったのかもわからない、荒唐無稽な映像を作った。

そ れが伝えたのは、ただ、いそいそと回る足だけだった。それにより人々は、オリンピックで100メートルを走っているのは、陸上選手とは名ばかりのコマ送り の棒人形などではなく、血の通った生身の人間だったのだと、その時、初めて知る事になった。もう二度とペレが空を飛ぶことは無かった。



時代が流れるにつれ、技術は進歩した。映像は進化し続けた。もうあの日のように下半身を賢明にカメラで追う必要は無くなった。40インチのハイビジョンは、筋肉の動きまでをも正確に捉え、電波に乗ったその映像は、2秒遅れで世界に飛んだ。

ペ レが空を飛んだ頃には、いや、東京五輪が開かれた頃ですらただの1台も存在していなかったようなテクノロジーのカメラが18台も国立を囲み、22人の選手 と2人の監督を絶えずその枠内に捕らえ続けたが、それを喋るのが角澤照治であったという事実は、技術の進歩が人類の幸福に必ずしも貢献しないという紛いな き真実を顕著に伝えた偉大な1つの例である。実況者とは真実を大衆に伝える仕事である。角澤もまた、その例に漏れず、職務を忠実に果たしたのである。










一 部、聴衆の間では、格闘新世紀1の鳳凰という称号に対し、大覇王はないんじゃないか、そんな声もささやかれていました。だがしかし、その肩書きを、より強 く、深く、高いものに自ら伸し上げていったのが、この大覇王、超南アキラ。今やこの大覇王という称号は、揺るぎないもの、そして、かつてのものとは計り知 れないほど高いものになっています。その、大きな壁に立ちはだかる、猛者、ムームーダンス。まずは1ポイント。大覇王がその格式を見せつけます。


僕 は、この実況こそが我が国のEスポーツの歴史において最も素晴らしい実況であったと、今も信じて疑わない。この実況の素晴らしさは、「一切実況していな い」点にある。普通、実況者というものは、映像をなぞる。映像に捕らえられている事実を出来る限り正確に喋ろうとする。けれども、斉藤はこの実況におい て、その努力を完全に放棄した。

見て解る事は一切喋らない。対戦が始まっているにも関わらず、一言も喋らない。実況しない。その代わり、 見ているだけでは伝わらない事を、全力で伝えに行ったのである。斉藤がこの実況で伝えようとしたのは、大会の歴史であり、プレイヤーが背負ってきたもので あり、プレイヤーと、クリエイターと、会社と実況者とが、寄りかかりながらそれぞれに、裏道をとぼとぼと歩いてきたバーチャファイターという細く長い道の りだった。

株式会社セガの中にも、流石に「この実況者は凄い」という事に気がついた人が居たらしく、家庭用のバーチャファイター5は 「実 況パワフルVF5」として作られたが、ワゴンに積まれた。バーチャファイター5はワゴンに積まれた。ゴダールに言わせれば、「セガは悪くない。大衆が馬鹿 なのだ」と、なる。どうあれ、バーチャファイター5は、ワゴンに積まれた。ワゴンに積まれてしまったのである。








そろそろ、このエントリーの主人公であるDAICHIにご登場いただこうと思う。

「俺、この動画はやくあげてえよ。」
このフレーズこそが、DAICHIを象徴する。




え、これ今何分?動画
今2時間47分です。予定通りです。予定通りです。
俺この動画はやくあげてえよ。(野次:だいちはやく帰れ!)
でも実況してえよ。(野次:直帰直帰!)
わかった、今日徹夜で作業するわ。


前 述のバーチャ実況の斉藤は、セガの社員だった。セガという会社が、開発したゲームのユーザーの為に、そして会社の利益の為に、大会を開催し、それを社員に 実況させた。そこで生まれた実況だった。けれども、DAICHIは違う。DAICHIという人は、自らで大会を開催し、自らで実況をし、自らでエンコード し、自らでニコニコ動画にアップロードしたのである。それを続けたのである。DAICHIという人は、なぜそんな事をしたのだろうか。僕が思うに、 DAICHIという人は、よっぽどの暇人だったのだと思う。他に理由など無いと思う。




DAICHIという人が、 自らで開催し、自らで実況した大会の動画をニコニコ動画にアップロードし始めたのは、今からちょうど一年くらい前の事である。彼が取り上げたのは、北斗の 拳という完全にバランスの崩壊した、非常に不人気な2D対戦格闘ゲームで、当初は、8人の出場者を集めるのにも苦労し、彼が携帯で呼び出し、あるいはゲー ムセンター中の人に声をかけてやっとの事で開催していたくらいのものだった。そしてDAICHIの実況もまた、お世辞にも聞けたものではなく、僕はそれを 慎重に聞いて、非常に失望したのを今でもはっきりと覚えている。








「ニコニコ動画に凄いゲーム実況が居る。」
そんな噂が僕の耳に入ってきたのは、昨年のクリスマスの頃だった。

WarCraft3 というゲームのプロゲームシーンの熱心なファンで、3年以上に渡って毎週十時間以上もプロゲーマーの対戦動画のリプレイを欠かさず見続け、それだけには飽 きたらず、韓国人の実況動画やドイツ人の実況動画、あるいはロシア人の、中国人、アメリカ人の実況に至るまで、言葉を全く理解出来ないにも関わらず見続け ていた酔狂な、狂信的とも言うべきEスポーツ好きの僕にとって「日本人の凄いゲーム実況が聞ける」という話は、まるで素晴らしい夢のような出来事に思われ た。

仕方が無しに嫌悪していた、そして今でも嫌悪しているニコニコ動画のアカウントを取得し、DAICHIの実況動画を探し、一番古い も のを選んでそれを見た。見るべきものは何もなかった。舌は回らない。済んだ事をディレイで喋る。言い間違いや思い違いを延々引きずる。まるで聞き手の事を 考えていない。独りよがり。自己満足。

それは、地方都市のゲームセンターの店員が場末の大会でだらだらと喋っているのと、たいして違わ な いレベルだった。酷い実況だと思った。同じ動画で実況していた、もう1人の実況者の方が、まだまともに思えた。今聞いても、同じように感じるだろう。「こ の実況どこが凄いんだ」と不愉快な気分になった。身内が内輪で褒めているだけなんだろうと僕は考えた。インターネットに騙された、と思った。

けれども、DAICHIは変わっていった。
目に見える速度で変化していった。








何がDAICHIを変えたのだろう。
その問いには、はっきりした答えがある。

DAICHIが、DAICHIを変えたのである。








DAICHI は、自らの実況動画を、自らでエンコードし、自らでアップロードした。当然、DAICHIは誰よりも早くDAICHIの実況を耳にする事になった。ニコニ コ動画のシステムでは、コメントを読む為には動画を再生する必要があった。必然的に、DAICHIは自らの声を自らで聞き続ける羽目に陥った。適当な人間 でありながら、些か神経質な所を持つDAICHIはコメントを読むためにニコニコ動画にアクセスし続け、その度に自らの実況を聞き続けた。そうして聞いた DAICHIの声が、DAICHIという人を、もの凄い速度で変えていった。

DAICHIは毎週2度もの大会を自ら勝手に開催し、自ら 勝 手に実況し、自ら勝手にエンコードし、自ら勝手にアップロードし続けた。その度にDAICHIは自らの実況を自らで聞いた。「自分の実況を繰り返して聞き 続ける」という希有な体験が、DAICHIを常識では考えられない速度で成長させていった。DAICHIは言う。




俺さあ、滑舌よくなったんだよね。
喋れるんだよ。自分でもびっくりした。喋れるの。


実 況動画の試合と試合の合間に、DAICHIがぽつりと漏らした時、周囲の反応は薄かった。それもそのはずである。周囲のプレイヤー達は皆、「大会参加者」 だった。彼らにとってのDAICHIの喋りは大会を彩るリアルタイムの出来事でしかなかった。大会の参加者達は、現場でDAICHIの喋りを聞き、大会の 様子を生で見ていた。ニコニコ動画で見るにしても、精々一度きりだった。

その場に居た人達の中で、ただ一人DAICHIだけが、 DAICHI動画を繰り返し見ていた。何度も、何度も繰り返し見ていた。自らで開催した大会であるという誇り、自らで実況をしたというプライド、自らでエ ンコードしたという情熱、自らの動画に付けられたコメントを読みたいという欲望、そして止まるところの無い自己愛。それらがDAICHIをDAICHI動 画へと向かわせ、結果としてDAICHIは成長し、その成長したDAICHIの姿に誰よりも驚いたのがDAICHI本人だったのだ。そして彼は言ったので ある。「自分でもびっくりした。」と。




今日は18名もの北斗プレイヤーが、参加してくださいました。
ありがとうございます。ありがとうございます。


DAICHIが変わるにつれ、変化していったものがもう1つだけあった。

大 会参加人数である。当初8名の参加者を集めるのにも苦労していたDAICHI大会は、あっという間に16名の壁を越えた。ニコニコ動画で噂を聞きつけ、ニ コニコ動画でDAICHIの声を聞いたプレイヤー達が、渋谷から、新宿から、あるいは横浜から、ぽつり、ぽつりと少しずつ、中野ブロードウェイへと集まり 始めた。

それは、スポンサー付きプロゲーマーらによって、高額の賞金を巡って繰り広げられるWarCraft3シーンを見続けていた引 き こもりである自分にとっては、とても奇妙な光景に思えた。賞金もない、賞品もない、得る物の無い大会に、汽車と地下鉄を乗り継いで、一人、一人と参加者が 増えていった。

そうして集まった都内各所の名プレイヤー達によって、DAICHIの声は割れ、喉は枯れ、大会は日増しにその熱を増して いった。動画はそれを伝え続けた。精密機械の異名を持つKIが圧倒的な実力で大会を連覇し続けた。「帰宅しようとする対戦相手にお金を渡して対戦を求め た」あるいは「北斗をプレイする為に上京した」というエピソードを持つイチは、色物プレイヤーに4連敗を喫して良い所無く負けて消えて行くという損な役回 りを演じながら、何時しか復調し、DAICHI動画において最も存在感のある必要不可欠なプレイヤーの一人にまでなった。弱キャラの中堅プレイヤーとい う、弱小選手の一人にしか過ぎなかったひげは、いつの間にかDAICHI動画のもう一人の主人公とでも言ってよいようなサクセスストーリーを歩み始めた。

土 曜日と水曜日が来る度にDAICHIは喋り、回を追う毎にDAICHIは成長し、参加者は増え続け、DAICHI動画は不思議な熱を帯びていった。その動 画の熱を作り出していたのは、プレイヤー達だった。DAICHIではなく、中野ブロードウェイに集うプレイヤー達だった。その事実を指して、 「DAICHIは個性的な参加者に恵まれたのだ」と言う事は簡単である。おそらくに、それは真実だと思う。けれども、僕はその事実を認めたくないし、それ を真実だなどとは思わない。そこには、ただ、DAICHIが居た。

土曜日が来る度に3時に家を出て4時に着くや否やマイクを持ち、野試 合 をプレイしながら野試合を実況し、午前0時まで息も絶え絶えに喋り続ける。見慣れない顔を見つけては迷惑とも言えるまでにアドバイスを繰り返して丁寧に育 て、大会のレベルに付いていけない人が増えると見るや初級者限定の大会を開催し、しかもそれを自ら喋り、自らエンコードし、自らアップロードし、その大会 から幾人もの名プレイヤーが生まれるにまで至った。

何が彼をそうまでさせたのだろう。僕は、多分、DAHICIという人は、よっぽどの 暇 人だったのだと思う。僕の貧相な想像力では、そのように理解するのが精一杯である。けれども、幾人かの北斗プレイヤーはそのようには捕らえなかった。そし て、彼らは中野ブロードウェイを目指した。




渋谷勢、新宿勢、横浜勢。

それら「外敵の侵入」と で も言うべき事態は、DAICHI動画にそれまでとは少し違った色を加えた。それは、僕が何年も前にWarCraft3シーンで目にした、「北米勢の参入、 韓国勢の乱入、中国勢の登場、ロシア勢の台頭」といったものと同じような、新しい刺激と衝突を生み、それらは必然的にプレイヤーの譲れぬ意地となり、新し い名勝負を生み出した。

「小さなコミニティの気持ち悪い身内色」といった空気が完全に払拭される事は決してなかったが、DAICHIは 彼 ら外敵とも呼ぶべき外様勢に、ぎりぎりの所まで極限に気を遣って喋り続けた。僕はDAICHIが身内のノリで、内輪の面子を「おいこら○○!」と何度も呼 び捨てにした後で少しの間沈黙してから、申し訳なさそうに「○○さん……、○○さん。あ、試合お願いします。」と縮こまっているのを何度も見た。そういっ た点において、DAICHIが成長することはまったく無かったが、驕り高ぶる事もまったく無かった。DAICHIは最初から最後まで、変わらず DAICHIのままだった。変わったのは、実況技術だけだった。そして、それは何よりも大切なことだった。




「遠路遙々ありがとうございます。」
「またの参加をお待ちしています。」
都 内各地の実力者が中野ブロードウェイに来る度に、DAICHIは彼らの目を見てそう繰り返し続けた。来る度に、来る度にDAICHIは同じフレーズを心を 込めて読み上げ続けた。8人を集めるのがやっとだったDAICHIによるDAICHIの為の大会は、遂に32人の壁を越えた。参加者から優勝賞品が寄せら れるようになった。ゲームセンター側からDAICHIに送られた報酬は、ジュース一本だけだった。DAICHIという人は、世界中で一番ジュースが好きな んだと思う。僕の想像力ではそう理解するのがやっとだった。けれども、世界はそうは思わなかった。大会は熱を帯び、誰もが見たことの無かったような奇跡的 な試合展開が録画され、その度にDAICHIは声を割って叫んでいた。それはDAICHIの手によってエンコードされ、ニコニコ動画にアップロードされ続 けた。そして生まれた名勝負の後にDAICHIは言った。「ゲームは楽しむものです。」。




もう、俺もなんでもいいわ。
楽しければなんでもいいわ。
ゲームは楽しむものです!



こ れを聞いたとき、初めてDAICHIを理解出来たような気がした。僕にとってゲームとは心に生まれた恐怖を埋める為の道具であり、現実からの逃避だった。 けれども、DAICHIにとっては、違ったのだ。「ゲームは楽しむもの。」そう言い切れる強さが、DAICHIにはあった。そのメッセージは何よりも鮮烈 で、何よりも強力なものだった。そしてDAICHIはこう続けた。




さあ、こんな楽しい空間中野TRF
是非、全国の、北斗プレイヤーは一度遊びに来てください。
お待ちしております。



それに、1つのコメントが付いた。






北 斗の拳というゲームはあまりのバランスの悪さから、商業的には完全に失敗し、全国各地で筐体が撤去されつつあった。秋田には、既に1台の筐体も残っていな かった。秋田の北斗プレイヤーは自ずから全滅し、数人のプレイヤーだけがわざわざ仙台まで北斗をプレイしに行くという惨状だった。そして、その仙台のゲー ムセンターすら閉鎖されてしまうという話だった。

秋田と東京。あるいは、秋田と仙台。
それらの距離がどれくらいの物なのかを、僕は知らない。
知らないが、このコメントをした当人は、本当に、中野ブロードウェイに現れた。




そしてDAICHI動画初の「秋田勢」は、DAICHI動画に嵐を巻き起こした。

彼 は一回戦でまず関東屈指のプレイヤー(渋谷勢)を葬り、次に中野ブロードウェイ生え抜きの、DAICHI動画の主人公とでも言うべきひげというプレイヤー を何もさせずに葬ってしまった。それは、衝撃的と呼ぶにはあまりにも衝撃的なデビューだった。地方のレベルは都心よりも低い、というのが当然の常識として 皆の中にあり、DAICHIが彼の試合を一言実況する度に、その常識は砕かれていった。秋田勢、ジェフリーラオウというそのプレイヤーの次の相手は、大会 に出る度に優勝をかっ攫って行く、あの憎たらしいKIだった。他のゲームの大会を3連覇し、「このゲームやってなくても勝てる」と言って大顰蹙を買ったあ の、尋常成らざるKIだった。




ところが、ジェフリーラオウは、そのKIから1本を先取してしまった。並々なら ぬ 事態が起ころうとしていた。あの小憎たらしい憎たらしい、スーパーヒールのKIが、誰も名前も知らないような田舎から来た見ず知らずの外敵に敗れ去ろうと していた。ジェフリーラオウはヒットポイントをほとんど全て残したままで、KIを残り1割にまで追い詰めた。ジェフリーラオウの冒険はそこで終わった。

KI はいつの間にか素知らぬ顔で勝っていた。それはいつもと同じ光景だったけれど、見たことのない光景だった。あの憎たらしい、憎たらしいKIが、まるで中野 ブロードウェイを何かとんでもない侵略者から守った英雄のように光り輝いて見えた。あの忌々しいKIが英雄に見えてしまう。それも、手に汗握って秋田勢を 応援していた僕の目にすら、光輝いて見えてしまう。

呆然とした。ああ、DAICHIという人は凄い。僕はこの時初めて思った。ブログを 書 き始めてから、誰かに負けたと思った事はほとんど無かったけれど、この瞬間、僕ははっきりと自らの敗北を自覚した。自らのブログパワーがDAICHIとい う人の持つブログパワーに完膚無きまでに打ち破られたのだと、強く感じた。悔しくて仕方がなかった。

もしもあの日、DAICHIという な んの才能も持たない一人の北斗プレイヤーが、自らの稚拙な実況を記録した動画をアップロードしなければ、こんな日は決して訪れなかっただろう。参加者を募 り、新規参加者へのケアを行い、ニコニコ動画という場所で日本中のプレイヤーへと呼びかけ続けなければ、こんな日は決して訪れなかっただろう。 DAICHIの熱は熱を呼び、それはやがて熱波となって日本中を駆け巡った。








このように書くと、DAICHIという人が、情熱的な色物実況者であると勘違いされてしまうといけないので、終段を迎えるより前に、DAICHIの実況技術の堅牢さというものについて、ほんの少しだけ書いておきたい。




お互いどう動くか。
開幕はお互い、その場で様子見。
そこから、先に攻めるはナオリシン。
小足から、コマ投げ。そして、
グレイブ当てて、小パン小パン小パン小パン小パン獄屠拳
星取って、蓄積も相まって
バニからの、これはいいガークラ連携。
小パン小パン小パンで刻んで
ここでせいえいこう。
ガーキャンは、ばれてた。
小足が刺さるが、2Bが届かない。
これは、追撃をミスった。ガーキャンで
切り返して起き責めは
小足、小パン重ねか。
ジャンBから、2B、ジャンC、2C、バニ。
起き責めは、ブー昇竜からバニぃ……新しい!
獄屠カウンター、ジャンBで追撃
小パン、ジャンC、小パン、はくは。
小パン、バニ届かない。
ここで浮かし投げ。
そっから、小パン、近B
グレイブ、遠B
そして天派活殺。
起き責めは、低ダ、見えなかった。
ラウンド取るのは種籾勢。


上の実況が、DAICHIの典型的な実況である。

DAICHIは有力プレイヤーの特徴を覚え、「彼ならばこう立ち回る。彼ならばこういうコンボをする。」というパターンを記憶し、それに対応した「喋ること」を、試合が始まるよりも前に頭の中できっちり完成させている。

そ の脳内で前もって準備していた「喋ること」を、忠実に読み上げる、とでも言うべきなのが、彼の実況スタイルである。動きを見てから喋るのではなく、 DAICHIがマイクを持った時点でもう既にDAICHI実況は完成しているのである。DAICHIは、「リアルタイムで喋る」という実況者に必須の能力 は極めて低く、完全に努力の人、あるいは現場の人とでも呼ぶべき実況者だと僕は思う。

それ故に、DAICHIは「驚く」のである。対戦 の 中で、自らの予想を超えた現象が発生した際に、誰よりも驚き、ショックを受け、取り乱し、叫び、自らを見失い興奮し、いつもとはまったく違う調子の実況を 行うのである。そのDAICHIの驚きが、たとえば僕のような「北斗というゲームを全く知らない人」に普遍的な説得力を持たせ、DAICHI動画に不思議 な力を生み出しているのだと、僕は考えている。

一方で、たとえ決勝戦や、事実上の決勝戦であっても、予想された範囲内の展開であれば、 まったくテンションを上げようとしない。過剰に盛り上げようとしない。凡百の実況者なら「決して負けられない戦い」などと何度も何度も効果のない盛り上げ 煽りフレーズを繰り返す局面であっても、DAICHIは決してそのような事をしない。たとえどんな有力プレイヤー同士の対戦であっても、脳内に前もって書 き上げておいた「喋ること」を平坦に、そして丁寧に読み上げ続けるだけである。

「淡々とした決勝戦をありのまま淡々と実況する」という の は、なかなかに難しい事だと思う。とくに、ネット上に自ら実況動画をアップロードするという立場の人間にとっては、かなり困難な事だと思う。DAICHI という人は、それを決して気負うことなく成し遂げてしまっているのである。これは凄い事である。

話をDAICHIに戻す。








無 名の実況者というよりも、無名の1プレイヤーにすぎなかったDAICHIは、僅か数ヶ月間の実況動画アップロードにより、満場一致で08年度の闘劇実況に 推されるまでになった。そして、見事に選ばれた。08年度の闘劇実況がDAICHIであるとの決定に北斗プレイヤー達はビビットに答えた。DAICHIが 都内各地、いや日本中から中野ブロードウェイに呼び寄せたプレイヤー達はそれまでとは逆に、中野ブロードウェイから日本各地へと散っていった。そして、闘 劇決勝戦の切符を手に入れて中野ブロードウェイへと帰還した。

あるプレイヤーなどは、わざわざその為だけに沖縄まで出かけ、沖縄予選の 切 符を取ってDAICHIの元へと帰還した。日本土着のEスポーツ事情にあまり詳しくない僕から見れば、それはまるで悪い冗談のようなものだった。そうして 迎えた闘劇の本戦では、あの小憎たらしい憎たらしい、忌々しいKIが、全ての北斗プレイヤーの折り重なった夢と希望を完璧な形でぶち壊しにして優勝し、そ れをDAICHIが喋り伝えた。それはまるで、何かとてつもない1つの素敵な夢のような出来事だった。




そして闘劇の後。

それまでと同じように、大会が開催された。けれども、ちょっとした変化が生じていた。大会動画が、リアルタイムでネット中継されるようになったのである。「そこまで来たか」と僕は思った。

世 界各地で自然発生的に生じたEスポーツ大会のうち幾つかはやがて企業化され、しっかりとした収益基盤を確保するようになった。そしてそれらの大会のうちの いくつかが、「ネットによる動画配信」を実現すべく、ネット動画の技術を持つ企業を買収したり、あるいは提携したり、といった方向へと展開していった。

DAICHI という人がまるで一人で始めた誰も名前を知らないような小さなゲームセンターの大会は、遂にそこまで来たのである。それは正しくWeb 2.0的な光景だった。中野trfのオフィシャルページには自虐的に「プロゲーマーw」と書かれているが、リアルタイムのネット中継まで手に入れたそれは まるで、収益化に失敗した完璧なプロゲーム大会のように見えた。




そして1つの事件が起こった。
DAICHIがマイクを握らなかったのである。

「Web 2.0大会」と銘打たれた、記念すべき初ネット配信大会の決勝戦が行われたとき、DAICHIはそこに居なかった。中野TRFの隅に置かれた筐体で、野試 合をしていたのである。決勝戦を喋ったのは、DAICHIではない別の人間で、そのままDAICHIは一言も喋る事なく、大会は終了してしまった。 「DAICHIは終わったんだ」と僕は思った。それは疑いようのない事実だった。DAICHIは終わってしまった。




DAICHI の代わりに実況をした、その名前も知らない実況者の実況が、DAICHIに匹敵するレベルの良くできた実況であった事も、僕を打ちのめした。DAICHI という1人の先駆者の手によって、「どのような実況が聞きやすいか」という事が完全に世界に知れ渡った。対戦格闘の実況、少なくとも北斗の実況をしようと 試みる人間にとって、DAICHIという完璧すぎる青写真は、何よりも優れた目標到達地点だった。DAICHIのスタイルを可能な限り再現するだけで、聞 きやすく、癖のない、それでいて不思議な説得力のある実況が出来てしまう。DAICHIが常々心がけてきた、「アドリブに頼らず、忠実に、丁寧に」という 彼の実況スタイルにより生み出される「驚きを伝える能力の高さ」は、今や北斗のみならず、全ての対戦格闘ゲームの実況者にとっての目標となるべきものだろ う。このように書くと事実からは多少の乖離が生じてしまうかもしれないけれど、今では誰もが少しの努力で、簡単にDAICHIを超える事が出来る。

け れども、だからと言って、DAICHIが風化する事は決してない。何故ならば、DAICHIという人は、世界中でただ一人、DAICHIになろうとした男 だからだ。そして世界中でただ一人、DAICHIになった男でもある。いったい、誰が、他に誰が、DAICHIになろうだなどと志しただろうか。 DAICHIを夢に見ただろうか。その大それた夢を、心から願っただろうか。そればかりか、夢で終わらず、完璧な形で実現させてしまった。それが、 DAICHIという人である。








終わり。
それは必ず全てのものに訪れる。

DAICHIが夢見たDAICHIという夢。その夢にも、終わりは訪れた。
DAICHIはその夢を、完璧な形で叶えてしまったのである。




夢は終わった。
それは、現実になった。

現 実になったDAICHIが、これからどこへ行くのかを、僕は知らない。僕ばかりではない。そんなもの、誰も知らない。DAICHI本人ですら知り得ないの だ。北斗から離れようと、ゲームから離れようと、野垂れ死のうと、僕らの知る事ではない。ただ、DAICHIの言葉を借りるならば、こうなるだろう。

ありがとう。
本当にありがとう。

と。















信じて進み続ければ夢は必ず叶う。
2008年という年に、僕はDAICHIからそれを学んだ。
そして、そんなのもは絵空事だったのだと知った。

投稿: 2008/10/04 23:49:44

—————————————————————————

キャラランクスレpart99

345名無しさん:2011/02/27(日) 14:00:36 ID:5MrddrpkO さすがにシューティングだけで勝負できるようになったらνの悪夢の再来だわ
まあテイガー削除で安定だな
このゲームSTGキャラ多いし下手に弄っておかしくなるより1キャラだけ削る方が確実だろう
348名無しさん:2011/02/27(日) 14:43:31 ID:WSt1nQ120 »345
CTのSTG勢の強さはSTG性能だけじゃないと思うけどね
ガープラの調整と火力とターンを取ってからの強さがおかしかった
STGと纏められているけど立ち回りで戦えるのが問題だったわけじゃないと思うよ

テイガーはどうでもいいガードだけして、しんでいけばいいと思う

【ラオウ】part2

218名無しの強敵:2009/05/31(日) 20:09:33 ID:ksOy64fcO
もうこれでぃいんじゃねー?
屁A×4>屁B>立D>バニ>D>オラオラ>ブー屁C>上B>上B>サイ>屁A×8>屁B>立D>グレ>印刷>上BCB>屁A>立D>グレ>印刷>上ABCAサイ


こっからは好きにしてくれ(笑)書くのマンドクセー(*´・Д)y━~
暇潰しにゲーセンで見つけた
もしかしてもう出てる?ちなみに..ラオウ、ジャギ、マミア?は最初の印刷>上BCBは入らん。素直に上BBがいいよ。

219名無しの強敵:2009/05/31(日) 20:15:50 ID:8pjWNiNo0
従来の陰殺裏周りよりヒット数増えてるのはいいと思うんだが。

「屁」って何だよ。台無しだよ。
これだけでネタ扱いされんぞw

220名無しの強敵:2009/05/31(日) 20:37:43 ID:M4HC.DP60
もう出てる

221名無しの強敵:2009/05/31(日) 23:47:35 ID:0aMie/VU0
屁しすぎだろwwwwwwwww

222名無しの強敵:2009/06/01(月) 00:53:15 ID:REnXsa.20
屁言いたいだけちゃうんかとwww

223名無しの強敵:2009/06/01(月) 01:00:53 ID:vxH6bd5gO
屁×14とかもうwwwwwwwwwwww

225名無しの強敵:2009/06/01(月) 09:18:47 ID:D4ruxDGMO
途中まで大丈夫だったんだがブー屁Cで吹いたwww

226名無しの強敵:2009/06/01(月) 10:49:35 ID:fb90HuuU0
ぶーへこきと読むのかwww

227名無しの強敵:2009/06/01(月) 12:44:28 ID:vpKpIYs20
鬼才現る